パリ舞台探訪 「異国迷路のクロワーゼ」編 〜現代的要素の過去改変〜

10月末〜11月頭にかけての欧州舞台探訪の記事第1弾です。今回は19世紀のパリを舞台とする「異国迷路のクロワーゼ」の舞台探訪報告です。



ギャルリで湯音も一緒に撮影してみましたw 電撃付録のにいてんご湯音です。






ギャルリ・ヴェロ・ドダ



ギャルリ・ヴィヴィエンヌ



ギャルリ・コルベール



パリには幾つかのギャルリがあるのですが、作中のギャルリと完全に一致するものはありませんでした。雰囲気が一番似ているのはギャルリ・ヴェロ・ドダで、一番上の湯音を撮影したのもここです。このギャルリ・ヴェロ・ドダをベースに、他のギャルリの要素を組み合わせて作中の風景を作り出したんじゃないかと思います。





さて、以下はパリ市内の風景とクロワーゼ背景の検証です。撮影しながら気付いたのは、現代的な要素を19世紀の風景に溶けこませるように上手く修正している、ということでした(例えば、信号機を街灯に直すなど)。



凱旋門。木と街灯の位置関係を最も再現できる位置から撮影してみました。木の高さが足りない、街灯の位置が微妙にズレるなど、完全一致はしませんでした。



ブルボン宮。ほぼ正確に再現されていますが、屋根最上部にあるカメラらしきものは消されています。



欧州委員会。こちらは信号機が街灯に改変されていますw 19世紀に信号機なんてあるわけない。



ブルボン宮と欧州委員会を広角で。ここはどう頑張っても正確に再現できません。パーツパーツを組み合わせて描かれた印象です。



グランマガザンのモデル、プランタン。よく見ると建物の階数が増えています。19世紀以降に増築されたのでしょうか… もしそうならクロワーゼスタッフはきちんと過去の資料を基に描き直したということになりますね。



ジョフル広場。何かのポールが街灯に直されています。これも19世紀的改変かな?



サントトリニテ教会。建物は正確に再現されていますが木の梢が合わず。これも過去の写真か何かを基に描いたのでしょうか?



リュクサンブール公園にある天文の泉。噴水から水が出ていないことを除けばかなり再現度は高いです。



アルコル橋。悪戦苦闘したものの完璧に一致させることは出来ず。もう少し低い位置から撮影したらより再現度は高くなったかもですが、人通りと車通りが多くて撮影しにくいですよね、ここ。



同じくアルコル橋。手すりの遠近感が微妙に合いませんが、橋の向こう側の風景は正確です。





・・・ということで、比較的再現度の高いものを中心に紹介してみました。


精密アングル合わせで初めて判明した「現代的要素の過去改変」。背景スタッフさんがきちんと19世紀の風景を意識して背景を再現/手直しした、ということ分かりました。地味な作業ながら、こういった細かい仕事がクロワーゼの世界観を創り上げていたのですね。背景スタッフさん、お疲れ様でした!







※「異国迷路のクロワーゼ」の舞台探訪にあたっては、ゆっきーさんの「ゆっきーの散歩blog」を参考にさせて頂きました。