テルマエ・ロマエ舞台検証:「カピトリーノのヴィーナス」像

テルマエ・ロマエの舞台検証記事の第2弾です。第1弾の記事ではテルマエ・ロマエのタイトル画像に描かれたパンテノンについて述べましたが、今回紹介したいのは、もう1つのタイトル画像に使われたこの画像に描かれた彫像です。


これはローマのカピトリーノ美術館所蔵の「カピトリーノのヴィーナス」像です。カピトリーノ美術館は古代ローマ時代の美術品を多数所蔵していることで知られていますが、この「カピトリーノのヴィーナス」はこの美術館を代表する作品の1つとも言われています。






写真はこちら。二千年前の制作とは思えないほど美しい彫像ですね。ローマ時代にギリシャのオリジナルを模刻したものだそうですが、模刻の域を越えるほどの出来栄えと評価されているようです。ちなみに劇中の絵では下半身が布で隠されていますが、彫像とはいえ全裸ではマズいという判断なのでしょうか?w






・・・などと考えていたら、カピトリーノ美術館のものよりもそっくりな写真が出てきました。こちらは布付き、ルーブル美術館の収蔵です。どうやら模作は微妙にアレンジされつつもカピトリーノ美術館のものだけではないようですね。






写真フォルダを漁ったら更にもう1つ出てきました(汗) これもルーブル美術館です。こちらはカピトリーノに近い造形ですが、模作がこれだけあると劇中のモデルがどれなのか判断に迷います。





結局のところ、どれが本物なのか断定することは出来ませんが、「テルマエ・ロマエ」が古代ローマを舞台にしている以上、個人的にはローマにあるカピトリーノ美術館の「カピトリーノのヴィーナス」を推したいですね。作品としての著名度も、上に紹介した3体の模作のなかではカピトリーノのものが1番のようですし。


ところで、古代ローマ時代の浴場には、幾多の彫像が置かれていたと聞きます。「カピトリーノのヴィーナス」像が劇中に描かれたように浴場に置かれていたものかどうかは定かではありません。しかし、テルマエ・ロマエが、彫像を古代ローマ式に浴場内に置き、しかもカピトリーノ美術館有数の傑作を持ってきたことは、もし意図してのことならば大したものだと思います。